収縮期高血圧とはどういった状態か
中年期あたりから急激に発症例が増えるのが高血圧です。
高血圧は生活習慣病の代表的な症状としてよく知られており、その症状自体がもとになって何らかの症状が起るということはないものの、他の重篤な病状を招きやすくする非常に危険なものです。
虚血性心疾患や脳梗塞のような重大な病気のもとになる症状として、高血圧・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)が三大要因として挙げられますので、その影響を過小評価してはいけません。
特に60歳以上の高齢者になると高血圧を発症する人の割合は急増してしまいますので、日常的に血圧測定をするとともに早めに体質改善を心がけていきましょう。
高血圧の症状の中でも特に危険とされているのが「収縮期高血圧」です。
収縮期高血圧とは、簡単に言うと急激に大量の血液が血管に流れ込んできたときに上手に血管が拡張しないために内部の圧力が異常に高くなってしまうという状態のことです。
イメージとしては、非常に柔らかいゴムホースの場合には水を大量に流したときに管そのものが膨れるので管が傷むということはありません。
しかしそれがプラスチックパイプのような柔軟性のない管になってしまうと、耐久容量以上の水量が流れてきたときには管の壁面が圧力によって破損してしまいます。
自然に管の太さが伸縮するときには血圧は平均的に低くなりますが、管が硬化して伸び縮みをしなくなると常に細い管に血液が流れるので当然血圧が高くなります。
これが収縮期高血圧のしくみです。
収縮期高血圧の特長と問題点
人の体に収縮期高血圧が起ると、血圧を測定した時に上の血圧が非常に高い数値となります。
具体的には正常な血圧の人は130~85という上下の範囲ですが、これが収縮期高血圧になると上が150近くになるものの下は正常値とほとんど同じ85くらいになります。
一般的に血圧は上下の差ができるだけ少ないほど血流状態がよいものとして診断をされますので、上下の差が大きくなるということはそれだけ心臓に大きな負担をかけてしまっていることになります。
加えて収縮期高血圧は前項で説明したような原因によって起っているので、動脈硬化によって引き起こされる脳梗塞の危険性が極めて高くなります。
血圧測定は最近では家庭用の簡単な健康器具で計測をすることができますが、病院など専門機器のある場所で測定をするとまた若干違った値になることもよくあります。
また危険な高血圧であるかどうかの診断は血圧だけでなく脈圧や平均血圧など複数の検査によって詳しく調べて診断をします。
もし家庭で血圧を測定して気になった点があったなら、早めに最寄りの循環器系の機関を受診し全身の健康状態を確認してみることをおすすめします。