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多発性筋炎とはどういう病気か

高齢者によく見られる病気の一つに多発性筋炎というものがあります。
簡単に説明をすると、筋力が低下をしてしまうことで体を自力で動かすことが困難になり、進行することにより自分でものを飲み込んだりといった生命活動ができなくなってしまいます。

その症状の一つとして分類されているのが「リウマチ性多発筋痛症」という病気で、早い場合は50代から、平均的には60歳前後に発症をします。

リウマチ性多発筋痛症という名称を見ると高齢者の発症例の多い関節リウマチとの関連を連想しますが、この2つは直接的には関係がありません。

関節リウマチの場合には強い痛みを感じるのは体の関節部分ですが、リウマチ性多発筋痛症の場合痛みが生じるのは筋肉部分です。
初期のうちは軽い痛みやこわばりといったものとして現れますが、それが次第に強い痛みを伴うものに変化していきます。

発症しやすい部位は体の体幹部分にあたる筋肉で、上腕や首の筋肉や、臀部から太腿までの筋肉の違和感を感じて病院を訪れる人の割合が高いです。
痛みだけでなく発熱を伴うということもよくあり、全身の倦怠感から別の病気を疑って受診をする患者さんも少なくありません。

治療によって完治できます

リウマチ性多発筋痛症が発症する原因についてはまだはっきりわかっているわけではありません。
しかし早期に発見をして正しく治療をすることで完治をすることは可能です。
リウマチ性多発筋痛症は筋肉部分の炎症によって引き起こされることはわかっているので、まずは発症箇所を特定しその部分の筋肉を治療していきます。

治療は基本的には筋肉痛と同様に炎症をおさえることができる薬剤を服用することによって進めます。
慢性化している症状の場合は服用が1年以上になるということもありますが、基本的には服用を開始して間もなく回復を実感することができます。

重症化するケースとしては筋肉のこわばりが上半身から頭部に進行してしまい、脳に近い部分で炎症が起こってしまう場合があります。

側頭動脈炎と言われる症状ですが、これが起る前兆として頭の片側に違和感やこわばり、痛みを感じることが挙げられます。
突然重症化する例もあり、その場合には失明など重大な症状となって現れるケースがあります。

またリウマチ性多発筋痛症と他の病気が合併症を起こしてしまう例も多く報告されています。
合併症の例としては膠原病や各種ガンのような悪性腫瘍があり、そうしたものと同時に発症してしまうとかなり治療の難易度は高いものとなってしまいます。

筋肉に起る違和感は触ってわかるつっぱりなどなので、体に異変を感じたら気のせいと思わずできるだけ早めに診療機関を受診するようにしてください。