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水を飲む

重症化しやすい高齢者の脱水症状

夏場になるとさまざまなところで注意喚起がなされるのが「脱水症状」です。
脱水症状は文字通り体内に必要な水分が少なくなってしまい、体の不調を感じるようになってしまうということです。

脱水症状が進むと意識障害が起こり、ひどくなるとそのまま生命の危機にまで進行してしまうこともあるので、まずしっかり予防をしていくとともに、疑わしい場合には速やかに治療をしていくことが大切です。

まずはなぜ脱水症状が起るかということから説明していきます。
人の体はその大半が水分によって構成されています。
水分は血液やリンパ液などさまざまな体液を含むものですが、液体として体内を循環することにより生命維持に必要な活動をしていくことができるのです。

つまり体内の水分量が減少するということは体内に必要な循環が滞るようになってしまうということになるので、必要な酸素や栄養分が体に行き届かなくなり、同時に不要になった老廃物を運び出すことができなくなってしまいます。

夏場に脱水症状が起こりやすくなるのは大量に発汗することが原因ですが、それ以外にも病気により下痢をしてしまったりその他呼吸器の疾患にかかってしまうと体内の水分量が失われていってしまいます。

ですので夏だけでなく普段からできるだけたくさんの水を飲むようにし、体内の水分量が著しく減らないように気をつけていくようにしましょう。

高齢者特有の脱水症状

その上でなぜ高齢者が脱水症状になりやすいかということを考えてみます。
まず人の体の一般的な傾向として、若い人よりも高齢者の方が平均的な体内の水分量が少なくなるということがあります。

体組成計などで測ってみるとわかりますが、乳幼児期の体の水分率は70%以上が平均的なのに対し、成人は約60%、高齢者では50%を切ることもあります。

つまり同じように体内から水分量が損なわれる状況になってしまったとき、高齢者の方がより早く脱水症状が起きやすくなるということになります。

さらに高齢化により腎機能が低下してくると、尿として排出する老廃物を上手にコントロールをすることができなくなってしまうので、排出するために必要な水分が多くなり脱水症状が起きやすくなります。

高齢者の大きな悩みの一つに下半身の筋肉が弱くなることによる尿もれがありますが、それを怖がるあまりできるだけ水を飲まないようにしているとさらに脱水症が起こりやすくなるのです。

加えて高血圧や慢性心不全の治療薬として処方される利尿剤を使用しているとますます失われる水分量が増えるので脱水症状が起こる可能性が高まります。

予防対策として最も効果的なのが水を飲むことなので、気温の高い時期や運動前、入浴前後などには特に注意して飲むようにしましょう。