収縮期高血圧とは一体どんな病気?

収縮期高血圧とはどういった状態か

中年期あたりから急激に発症例が増えるのが高血圧です。
高血圧は生活習慣病の代表的な症状としてよく知られており、その症状自体がもとになって何らかの症状が起るということはないものの、他の重篤な病状を招きやすくする非常に危険なものです。

虚血性心疾患や脳梗塞のような重大な病気のもとになる症状として、高血圧・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)が三大要因として挙げられますので、その影響を過小評価してはいけません。

特に60歳以上の高齢者になると高血圧を発症する人の割合は急増してしまいますので、日常的に血圧測定をするとともに早めに体質改善を心がけていきましょう。

高血圧の症状の中でも特に危険とされているのが「収縮期高血圧」です。
収縮期高血圧とは、簡単に言うと急激に大量の血液が血管に流れ込んできたときに上手に血管が拡張しないために内部の圧力が異常に高くなってしまうという状態のことです。

イメージとしては、非常に柔らかいゴムホースの場合には水を大量に流したときに管そのものが膨れるので管が傷むということはありません。

しかしそれがプラスチックパイプのような柔軟性のない管になってしまうと、耐久容量以上の水量が流れてきたときには管の壁面が圧力によって破損してしまいます。

自然に管の太さが伸縮するときには血圧は平均的に低くなりますが、管が硬化して伸び縮みをしなくなると常に細い管に血液が流れるので当然血圧が高くなります。
これが収縮期高血圧のしくみです。

収縮期高血圧の特長と問題点

人の体に収縮期高血圧が起ると、血圧を測定した時に上の血圧が非常に高い数値となります。
具体的には正常な血圧の人は130~85という上下の範囲ですが、これが収縮期高血圧になると上が150近くになるものの下は正常値とほとんど同じ85くらいになります。

一般的に血圧は上下の差ができるだけ少ないほど血流状態がよいものとして診断をされますので、上下の差が大きくなるということはそれだけ心臓に大きな負担をかけてしまっていることになります。

加えて収縮期高血圧は前項で説明したような原因によって起っているので、動脈硬化によって引き起こされる脳梗塞の危険性が極めて高くなります。

血圧測定は最近では家庭用の簡単な健康器具で計測をすることができますが、病院など専門機器のある場所で測定をするとまた若干違った値になることもよくあります。

また危険な高血圧であるかどうかの診断は血圧だけでなく脈圧や平均血圧など複数の検査によって詳しく調べて診断をします。
もし家庭で血圧を測定して気になった点があったなら、早めに最寄りの循環器系の機関を受診し全身の健康状態を確認してみることをおすすめします。

高齢者に多い脊椎圧迫骨折を治す方法

寝たきりリスクの高い脊椎圧迫骨折とは

高齢者になると若い頃には考えられなかったようなことで思わぬ大怪我をしてしまいます。
中でも高齢者の怪我で重篤化しやすいのが転倒などによる骨折です。
骨折というと骨がボキッと折れてしまうような印象がありますが、実際の骨折は原因によってさまざまなケースがあります。

骨が丈夫な若い人の場合には、同じ骨折であっても小さなヒビが入った状態にとどまっているようなことも多いのですが、高齢者になるとヒビがまっすぐ裂けるように入ってしまったり、骨がぐしゃっと潰れた状態になってしまうこともあります。

高齢者の骨折が重篤化しやすい理由はなんといっても骨そのものがもろくなってしまっていることです。
特に骨粗鬆症を発症しやすい女性高齢者や、男性であっても75歳以上の人は転倒による骨折には十分に注意していく必要があります。

転倒による骨折の症例の中でも特に高齢者に多く重篤化しやすいものの一つに「脊椎圧迫骨折」があります。
これは文字通り腰の部分にある脊椎が強い力で圧迫されることによって引き起こされる骨折のことで、進行することにより立ちあがれないほどの強い痛みを伴うようになってしまいます。

脊椎圧迫骨折が起るきっかけとして最も多いのが、転倒時に起こる尻もちです。
急激にお尻を打ってしまったときには当然腰にも強い衝撃が加わりますので、転倒がきっかけになって圧迫された頚椎に傷がついてしまうのです。

自覚がないまま進行することもあります

脊椎圧迫骨折の大きな特長は、本人の自覚症状が乏しいまま進行してしまうことがよくあるという点です。
これは座っている状態と立ち上がった状態では脊椎にかかる圧力が異なるためで、特定の姿勢をしているときには非常に強い痛みがあるのに、別の姿勢にすると全く痛くないというようなことが起こります。

こうした姿勢によって現れる症状が異なることを「体動時腰痛」といい、自力で歩いて病院に来た人がレントゲン撮影をしてみたら骨折していたというようなこともあります。

珍しい場合には脊椎圧迫骨折が起こっていたけれどもそのままにしていたら自然に治ってしまったということもあるようです。
しかし基本的には脊椎圧迫骨折が起ると非常に強い痛みが生じるようになり、進行して脊椎内の椎体まで傷が広がると腰痛だけでなく足のしびれや麻痺症状までになることもあります。

腰痛は高齢者になるとほとんどの人が発症するありふれたものなので、自覚症状では判断が難しいと言えます。
ですが専門医を受診して撮影検査をすればすぐにわかります。

脊椎圧迫骨折をした骨は仮に自然治癒をしたとしても変形の可能性が高く、再び腰痛の原因になってしまうこともありますので早めの治療をおすすめします。

廃用症候群の特徴について

要介護度が高まってしまう危険性のある廃用症候群

今や社会問題となっている高齢者介護ですが、これは介護を受ける本人にとってもつらいことであるばかりか、家族や身の回りの人の人生にまでよくない影響を及ぼすことのある重大な問題です。

介護をしていく上で最も深刻なのが、完全に寝たきりになってしまい付き添いとなる人がいないと生活をすることができなくなってしまうという状況です。

多少なりとも自立した生活ができる人であれば、介護をする周りの人も別の仕事をしたり自分の生活をしていくことができますが、完全に寝たきりになってしまった人を介護をするとなると仕事も辞め24時間体制でついていなければならなくなります。

そこで現在では今後介護を必要とする可能性が高い高齢者に対し、できるだけ長く自立をした生活をしていくことができるよう予防対策をとっていくことが推奨されています。

要介護とならないための予防措置で重要になってくるのが「廃用症候群」にならないようにするということです。
廃用症候群とは簡単に言うと、長く自分で体を動かさない状態が続くことにより、次第に体全体を動かす機能が損なわれていってしまうということです。

わかりやすい例として転倒によって足を骨折してしまった高齢者が、治療中にずっと寝ていたところ足が治っても寝たきりになってしまうというような場合があります。

廃用症候群を防ぐためのコツとは

一昔前までは、介護ではできるだけ介護を受ける人が楽に生活できる環境を整えてあげることが常識とされてきました。
しかしそうした「歩かなくてもよい室内設備」や「なんでもやってあげる介助者」の存在は、介護を受ける人にとってむしろよくない影響を与えることがわかってきました。

これは廃用症候群という状態が起ることがわかったためで、過度な安静状態は高齢者の自立した体の機能を失わせることになるとされています。

廃用症候群とされる症状の代表が先に述べたとような寝たきりになることによる筋肉の減少です。
筋肉は使わない期間が長くなるとみるみる減少していってしまう上に、高齢者は健康な状態でもどんどん筋肉が衰えてしまうので、短期間であっても寝たきりの生活をしてしまうことでその後自立して体を動かすことができにくくなってしまいます。

筋肉の他にも関節をうまく動かすことができなくなる「関節拘縮」や、骨がもろくなってしまう「廃用性骨萎縮」といったことも同時に起ります。

ですのでもしこれから何らかの病気の治療などにより介護をしていくことになるなら、本人の協力のもとできるだけ自発的に運動をするように促し、寝たきりになってしまうことを協力しながら防いでいくという努力が求められます。

高齢者に多い肥満「サルコペニア肥満」

高齢者にだけ起る肥満の原因とは

40歳を過ぎた頃から、急激に体が太りやすくなったと感じる人も多いことでしょう。
これは人の体はだいたい40歳頃をピークに急激に筋肉量が落ちていってしまうからで、日常生活の中でもすぐに息切れがしたり重い物が持てなくなったりといった不都合を感じるようになります。

それは60歳を迎える頃になるとより顕著に現れるようになり、男性ならば腹部が、女性ならば下腹部が大きく膨らむ「メタボリックシンドローム」の状態になってしまいます。

世間的なイメージではその人が肥満状態になるかどうかは自己管理の問題であり、体重を減らすことができない人はだらしない人であるかのような良くない印象が持たれています。

確かにそれも一つの原因かもしれませんが、高齢者の肥満の場合には自己管理や自己責任だけでは調整できないような体質の変化も起こってきます。

その一つが「サルコペニア肥満」と言われるもので、高齢化により急激に筋肉量が落ちそれが脂肪に変わることで急に太ったように見えてしまいます。

体の筋肉は腕や足など表に見えているものだけでなく内蔵を動かしたり支えたりするインナーマッスルも含まれます。
つまりサルコペニア肥満になると内蔵を正しく動かすことが難しくなるということなので、それがさまざまな病気の原因になります。

サルコペニア肥満の特長と予防

まずサルコペニア肥満が疑われるのは、体内の筋肉量が極端に落ち込んでしまっている人です。
できれば一家に一台用意してもらいたいのが体組成計付きの体重計で、日常的に体重だけでなく筋肉量も計測するようにしてください。

サルコペニア肥満の特長は見た目にはそれほど体重が変化しているようには見えないのに、筋肉量が標準よりもかなり低いいわゆる「隠れ肥満」も含まれるということです。

ですので体重のみしか計測できない体重計では、体内で進行するサルコペニア肥満を発見することができずに、進行が早まってしまうのです。

体の変化を自己診断するポイントとしては、まず片足だけで椅子から立ち上がることができるかということがあります。
椅子にまっすぐに腰をおろして腕を組み、その体勢で片足だけで立ち上がってみてください。

サルコペニア肥満の状態になっている人は体幹機能が著しく落ちてしまっているので、自分の体のバランスをうまくとることができません。

サルコペニア肥満を予防するために最も効果があるのが日常生活における運動です。
中でもウォーキングなど体を支えるための運動は効果が高いです。

逆に高齢者のダイエットとして非常に危険なのが極端な食事制限をする方法です。
テレビなどで流行している極端な食事制限を伴うダイエットはむしろ筋肉を減少させてしまうのでサルコペニア肥満を増長してしまいます。

老人性肺炎とは

日本人の死亡原因第4位の肺炎

冬場になると毎年のように流行するのが肺炎です。
肺炎にもいくつか種類がありますが、特に感染力が強く重篤化しやすい危険なものとして「マイコプラズマ肺炎」や「インフルエンザ肺炎」があります。

肺炎とは、呼吸器官である肺の中に病原菌となる細菌やウイルスが侵入することによって引き起こされる病気全般のことをさしており、どういった細菌やウイルスによるものかによって病名が細かく分類されます。

肺炎はかつては致死性の非常に高い危険な病気として広く知られて来ましたが、医学の発展により非常にすぐれた効き目を持つ抗生物質が開発されたことにより死亡率は激減しました。

しかし免疫力の低い乳幼児や高齢者が発症した場合にはうまく抗生物質が効かずに死亡例に至ってしまうことも珍しくなく、現在なお日本人の死亡原因の第4位となっています。

さまざまな原因によって起る肺炎ですが、特に高齢者が注意をしなければいけないのが「老人性肺炎(誤嚥性肺炎)」です。
老人性肺炎はものを飲み込むときに誤ってウイルスを呼吸器に入れてしまうことによって引き起こされるもので、特に高齢者の発症例が著しいことからその名前で呼ばれています。

誤嚥性肺炎のしくみと予防法

老人性肺炎こと誤嚥性肺炎の最大の特長は、ものを食べて飲み込むという動作が感染の原因になってしまうということです。
私達は普段ものを食べるとき口腔内で咀嚼をしたものを飲み込むことで胃に送っています。
このときちょっと体の機能がうまく働かないと、正しく胃に食べ物が入らず激しくむせたり咳き込んだりしてしまいます。

これは体の機能として自然に備わっている、呼吸した空気は肺に、食べ物は胃にという枝分かれしている通路が上手に切り替えされないことによって起こります。
若い時期にはこの行き先間違いはそれほど頻繁に起るものではないのですが、高齢者になると頻発するようになってしまいます。

問題はそうした行き違いにより本来胃に入るべき食べ物が肺につながる気管支に張り込むことで、食べ物の中に含まれていたウイルスや細菌が肺に運ばれてしまうということです。

私達の体の消化器である胃の内部には非常に作用の強い胃液が分泌されていますが、この胃液は体によくない影響を与えるウイルスや細菌を殺す役割も担っています。
しかし肺にはそうした殺菌作用はありませんので、ウイルスや細菌に対してはかなり無防備な状態に置かれてしまいます。

誤嚥性肺炎を予防するためには、食事中の咳き込みが頻発してきたら早めに対策をすることが大切です。
誤嚥が起こるのは嚥下のための機能が弱まっているということなので、早めに治療を受けないと肺炎以外に重篤な病気を招いてしまうことになります。

死亡することも!高齢者のRSウイルス感染の特徴

春先にかけて流行するRSウイルスとは

RSウイルスとは「Respiratory syncytial」の頭文字をとったウイルスのことで、人の呼吸器に入り込むことで重篤な症状を引き起こします。

もともとRSウイルス感染の危険性が高いのは乳幼児とされてきたのですが、ここ近年では高齢者の発症例も急増しており特に冬の終わり頃から春先にかけては注意が必要です。

なぜRSウイルスが他の症状よりも危険とされているかというと、それは非常に感染力が強く、また抗生物質が効かず対処療法でしか治療をすることができないからです。

乳幼児の場合RSウイルスに感染したことがない人はいないと言ってもよく、2歳までに必ず一度は感染します。
繰り返し感染をしていくことにより子供の体の中に免疫力が備わっていくということもわかっているので、症状が軽いうちに直すようにするということが重要になります。

高齢者の感染例の場合には免疫力が弱いことから一度の感染で重篤化する確率が高く、さらに他の感染症を合併して起こす危険性があります。

臨床例として多いのが中耳炎や気管支炎を併発することで、さらに重くなると肺や心臓など重要な臓器にも影響を与えてしまうことになります。

肺の病気がある人は特に注意が必要

RSウイルスは非常に感染力が高いと言いましたが、それは飛沫感染および接触感染のいずれからも感染をするからです。
具体的には既にウイルスを保有している人が人の多い場所でくしゃみや咳をしただけでも感染の危険性があるということです。

飛散したウイルスを吸い込んだり、またウイルスが付着したものに触れたりしたときにも高い確率で感染します。
手やものに付着したウイルスは4~7時間は高い感染力が保たれたままになるということも研究によって判明しており、外出時に完全にウイルスに触れないようにするということは非常に難しいです。

感染をしたときに特に重篤化しやすいのは既に肺に何らかの病状が出ている人です。
長年の喫煙などによって肺気腫が起きている人や、呼吸機能が弱まっている人の場合には免疫が全く効かずに早い時間で重篤な症状に進行してしまいます。

感染をするとまずは鼻水が多く出るようになり、その後38~39度くらいの高熱が発症します。
このとき気管支炎や肺炎になってしまうケースが多く、非常に苦しい喘息症状を伴います。

予防方法としては人が多く集まる場所に出かけるときにはマスクを着用するようにし、かつ手洗いやアルコールによる消毒を徹底するということがあります。

感染してしまった場合には病院を受診して症状をおさえる薬を出してもらうとともに、十分に温かくして睡眠をとり水分をとりながら経過をみていきましょう。

高齢者のための熱中症対策

室内でも発症例が多い熱中症

夏場になると高齢者に強く注意喚起されるのが熱中症です。
熱中症というと屋外で激しい運動をする人が発症するものというイメージがありますが、病院などの診療機関に運び込まれる人の多くが室内で体調を崩しています。

熱中症の起るしくみは人の体温調節可能な範囲以上の高温状況に置かれることにより、正常な体温に体を保つことができなくなり体を動かすことができなくなってしまうものです。

症状としてはまず異常に大量の発汗が起こり、そののちに手足や腹部で痛みや硬直が起こります。
身体機能に異常が起ることを「熱けいれん」と言い、それがさらに進むと意識障害をともなう「熱疲労」になります。

熱中症とよく似た名前のものに「熱射病」というものがありますが、こちらは高温多湿の状況に置かれることによって発症し、めまいや頭痛、高熱を伴うものです。

高齢者の場合節電のためやエアコンを使うことへの心理的な抵抗感から夏場でも自宅内を高温のまま過ごすということもあるようで、それが発症例を増加させてしまっています。

毎年熱中症として診断される人の数は増加傾向にあり、死亡例となることも珍しくありません。
熱中症を原因とする死亡例のうち全体の80%は65歳以上の高齢者という統計もあるため、初期症状のうちにできるだけ発見し、適切な温度の場所で安静にしてください。

夏場は喉が渇く前に早め早めの水分補給を

熱中症対策で最も大切なのが「水分補給」と「温度設定」です。
まず水分補給についてですが、こちらは今現在のどが渇いているかどうかではなく定期的に飲むクセをつけるということがポイントです。
高齢者の場合、体内にとどめておける水分量が若い人よりもかなり少ないのでより一層事前の水分補給が重要になってきます。

傾向的に高齢者はトイレが近くなってしまうことを嫌い、自分から水を飲むことをためらうようです。
しかし夏場の水分が失われやすい時期には積極的に水分を補給する先手先手の対策をしていかなければ、いざ症状が出たときには自分で飲みに行けなくなってしまうこともあります。
特に独居している高齢者は自分の身は自分で守ると思い、常に身の回りに水筒を用意して定期的に水を飲む習慣をつけてください。

次に室内の温度設定もためらわずに行うということも重要です。
夏場は午後に入るころになると室内では40度を超えるような高温になってしまいます。
こちらも水分補給同様に暑くなってから対策をするのではなく、比較的涼しい午前中のうちからエアコンを付けておき、常に適切な温度の部屋にいることができるようにしてください。

エアコンのないお風呂場などに行くときには十分に水を飲んでからにし、上がったあとにも速やかに水分補給をしましょう。

リウマチ性多発筋痛症ってどんな病気?

多発性筋炎とはどういう病気か

高齢者によく見られる病気の一つに多発性筋炎というものがあります。
簡単に説明をすると、筋力が低下をしてしまうことで体を自力で動かすことが困難になり、進行することにより自分でものを飲み込んだりといった生命活動ができなくなってしまいます。

その症状の一つとして分類されているのが「リウマチ性多発筋痛症」という病気で、早い場合は50代から、平均的には60歳前後に発症をします。

リウマチ性多発筋痛症という名称を見ると高齢者の発症例の多い関節リウマチとの関連を連想しますが、この2つは直接的には関係がありません。

関節リウマチの場合には強い痛みを感じるのは体の関節部分ですが、リウマチ性多発筋痛症の場合痛みが生じるのは筋肉部分です。
初期のうちは軽い痛みやこわばりといったものとして現れますが、それが次第に強い痛みを伴うものに変化していきます。

発症しやすい部位は体の体幹部分にあたる筋肉で、上腕や首の筋肉や、臀部から太腿までの筋肉の違和感を感じて病院を訪れる人の割合が高いです。
痛みだけでなく発熱を伴うということもよくあり、全身の倦怠感から別の病気を疑って受診をする患者さんも少なくありません。

治療によって完治できます

リウマチ性多発筋痛症が発症する原因についてはまだはっきりわかっているわけではありません。
しかし早期に発見をして正しく治療をすることで完治をすることは可能です。
リウマチ性多発筋痛症は筋肉部分の炎症によって引き起こされることはわかっているので、まずは発症箇所を特定しその部分の筋肉を治療していきます。

治療は基本的には筋肉痛と同様に炎症をおさえることができる薬剤を服用することによって進めます。
慢性化している症状の場合は服用が1年以上になるということもありますが、基本的には服用を開始して間もなく回復を実感することができます。

重症化するケースとしては筋肉のこわばりが上半身から頭部に進行してしまい、脳に近い部分で炎症が起こってしまう場合があります。

側頭動脈炎と言われる症状ですが、これが起る前兆として頭の片側に違和感やこわばり、痛みを感じることが挙げられます。
突然重症化する例もあり、その場合には失明など重大な症状となって現れるケースがあります。

またリウマチ性多発筋痛症と他の病気が合併症を起こしてしまう例も多く報告されています。
合併症の例としては膠原病や各種ガンのような悪性腫瘍があり、そうしたものと同時に発症してしまうとかなり治療の難易度は高いものとなってしまいます。

筋肉に起る違和感は触ってわかるつっぱりなどなので、体に異変を感じたら気のせいと思わずできるだけ早めに診療機関を受診するようにしてください。

高齢女性に多い!骨粗鬆症とは

腰の曲がった老人を作る「骨粗鬆症」

骨粗鬆症とは人の体を支える柱である骨の強度が低くなり、もろい状態になってしまうことを言います。
この原因は骨を構成している有機質が無機質に変化をしてしまうことで、高齢化により骨全体がもろい成分になってしまいます。

成分の変化だけでなく高齢者の体内の骨は萎縮してしまい、外圧に対しての余力がなくなってしまいます。
若い時期には考えられなかったような、日常生活での転倒や衝突で本来丈夫なはずの腕や大腿部の骨が折れてしまうということもしばしば起るようになり、その結果寝たきりになってしまう例も珍しくありません。

特に出産を経験した女性の場合、赤ちゃんに与える栄養分として自分の体内のカルシウムを多くなくしているため、高齢になったときに一気に骨がもろくなってしまうということもよくあります。

臨床例としては初老の時期から診断されることが多いのですが、どういった理由によって骨粗鬆症が直接的に発症するかということについてはまだはっきりとした原因はわかっていません。

ただし60歳を超えた女性が発症する例が極めて多いことから、体内で分泌される女性ホルモンの量が関係しているのではないかと考えられています。

女性ホルモンと骨密度の関係

骨粗鬆症の原因となる骨密度の低下に密接に関わりがあると考えられているのが女性ホルモンの一つであるエストロゲンです。
エストロゲンはいわゆる女性らしい体をつくるためのホルモンで、肌質や髪質、生理の周期などを整えるために非常に重要です。
しかし閉経後にはこのエストロゲン分泌が急激に低下してしまいます。

このエストロゲン分泌量の低下と骨粗鬆症発症のタイミングがかなりの割合で一致していることから、エストロゲンが減少することにより体内で骨を作るための代謝活動が停滞してしまうのではないかと考えられます。

しかしそれならば男性は骨粗鬆症にはならないのでは?と思いますが決してそんなことはありません。
男性の場合には全体的な傾向として女性よりも骨が丈夫に作られており、かつ出産を経験することがありませんので相対的に骨粗鬆症の発症リスクは低くなります。

ですが患者数の割合を見てみると骨粗鬆症と診断された人のうち4人に1人は男性となっているため、珍しい症状というわけではないのです。

男性の場合は閉経という大きな体質の変化がないため、症状はゆっくりと進行をしていきます。
女性の平均的な発症年齢が60歳前後であるのに対し、男性の場合は75歳頃とピークも約15年の遅れが見られます。

男性の骨粗鬆症の原因として考えられるのは生活習慣病による代謝機能の低下です。
高血圧や糖尿病などの病気が出ている人が骨粗鬆症になる割合が高いことから、他の病状が骨の代謝を悪くしているようです。

高齢者が脱水症状になるのはなぜ?

重症化しやすい高齢者の脱水症状

夏場になるとさまざまなところで注意喚起がなされるのが「脱水症状」です。
脱水症状は文字通り体内に必要な水分が少なくなってしまい、体の不調を感じるようになってしまうということです。

脱水症状が進むと意識障害が起こり、ひどくなるとそのまま生命の危機にまで進行してしまうこともあるので、まずしっかり予防をしていくとともに、疑わしい場合には速やかに治療をしていくことが大切です。

まずはなぜ脱水症状が起るかということから説明していきます。
人の体はその大半が水分によって構成されています。
水分は血液やリンパ液などさまざまな体液を含むものですが、液体として体内を循環することにより生命維持に必要な活動をしていくことができるのです。

つまり体内の水分量が減少するということは体内に必要な循環が滞るようになってしまうということになるので、必要な酸素や栄養分が体に行き届かなくなり、同時に不要になった老廃物を運び出すことができなくなってしまいます。

夏場に脱水症状が起こりやすくなるのは大量に発汗することが原因ですが、それ以外にも病気により下痢をしてしまったりその他呼吸器の疾患にかかってしまうと体内の水分量が失われていってしまいます。

ですので夏だけでなく普段からできるだけたくさんの水を飲むようにし、体内の水分量が著しく減らないように気をつけていくようにしましょう。

高齢者特有の脱水症状

その上でなぜ高齢者が脱水症状になりやすいかということを考えてみます。
まず人の体の一般的な傾向として、若い人よりも高齢者の方が平均的な体内の水分量が少なくなるということがあります。

体組成計などで測ってみるとわかりますが、乳幼児期の体の水分率は70%以上が平均的なのに対し、成人は約60%、高齢者では50%を切ることもあります。

つまり同じように体内から水分量が損なわれる状況になってしまったとき、高齢者の方がより早く脱水症状が起きやすくなるということになります。

さらに高齢化により腎機能が低下してくると、尿として排出する老廃物を上手にコントロールをすることができなくなってしまうので、排出するために必要な水分が多くなり脱水症状が起きやすくなります。

高齢者の大きな悩みの一つに下半身の筋肉が弱くなることによる尿もれがありますが、それを怖がるあまりできるだけ水を飲まないようにしているとさらに脱水症が起こりやすくなるのです。

加えて高血圧や慢性心不全の治療薬として処方される利尿剤を使用しているとますます失われる水分量が増えるので脱水症状が起こる可能性が高まります。

予防対策として最も効果的なのが水を飲むことなので、気温の高い時期や運動前、入浴前後などには特に注意して飲むようにしましょう。