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病室

要介護度が高まってしまう危険性のある廃用症候群

今や社会問題となっている高齢者介護ですが、これは介護を受ける本人にとってもつらいことであるばかりか、家族や身の回りの人の人生にまでよくない影響を及ぼすことのある重大な問題です。

介護をしていく上で最も深刻なのが、完全に寝たきりになってしまい付き添いとなる人がいないと生活をすることができなくなってしまうという状況です。

多少なりとも自立した生活ができる人であれば、介護をする周りの人も別の仕事をしたり自分の生活をしていくことができますが、完全に寝たきりになってしまった人を介護をするとなると仕事も辞め24時間体制でついていなければならなくなります。

そこで現在では今後介護を必要とする可能性が高い高齢者に対し、できるだけ長く自立をした生活をしていくことができるよう予防対策をとっていくことが推奨されています。

要介護とならないための予防措置で重要になってくるのが「廃用症候群」にならないようにするということです。
廃用症候群とは簡単に言うと、長く自分で体を動かさない状態が続くことにより、次第に体全体を動かす機能が損なわれていってしまうということです。

わかりやすい例として転倒によって足を骨折してしまった高齢者が、治療中にずっと寝ていたところ足が治っても寝たきりになってしまうというような場合があります。

廃用症候群を防ぐためのコツとは

一昔前までは、介護ではできるだけ介護を受ける人が楽に生活できる環境を整えてあげることが常識とされてきました。
しかしそうした「歩かなくてもよい室内設備」や「なんでもやってあげる介助者」の存在は、介護を受ける人にとってむしろよくない影響を与えることがわかってきました。

これは廃用症候群という状態が起ることがわかったためで、過度な安静状態は高齢者の自立した体の機能を失わせることになるとされています。

廃用症候群とされる症状の代表が先に述べたとような寝たきりになることによる筋肉の減少です。
筋肉は使わない期間が長くなるとみるみる減少していってしまう上に、高齢者は健康な状態でもどんどん筋肉が衰えてしまうので、短期間であっても寝たきりの生活をしてしまうことでその後自立して体を動かすことができにくくなってしまいます。

筋肉の他にも関節をうまく動かすことができなくなる「関節拘縮」や、骨がもろくなってしまう「廃用性骨萎縮」といったことも同時に起ります。

ですのでもしこれから何らかの病気の治療などにより介護をしていくことになるなら、本人の協力のもとできるだけ自発的に運動をするように促し、寝たきりになってしまうことを協力しながら防いでいくという努力が求められます。