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診察

春先にかけて流行するRSウイルスとは

RSウイルスとは「Respiratory syncytial」の頭文字をとったウイルスのことで、人の呼吸器に入り込むことで重篤な症状を引き起こします。

もともとRSウイルス感染の危険性が高いのは乳幼児とされてきたのですが、ここ近年では高齢者の発症例も急増しており特に冬の終わり頃から春先にかけては注意が必要です。

なぜRSウイルスが他の症状よりも危険とされているかというと、それは非常に感染力が強く、また抗生物質が効かず対処療法でしか治療をすることができないからです。

乳幼児の場合RSウイルスに感染したことがない人はいないと言ってもよく、2歳までに必ず一度は感染します。
繰り返し感染をしていくことにより子供の体の中に免疫力が備わっていくということもわかっているので、症状が軽いうちに直すようにするということが重要になります。

高齢者の感染例の場合には免疫力が弱いことから一度の感染で重篤化する確率が高く、さらに他の感染症を合併して起こす危険性があります。

臨床例として多いのが中耳炎や気管支炎を併発することで、さらに重くなると肺や心臓など重要な臓器にも影響を与えてしまうことになります。

肺の病気がある人は特に注意が必要

RSウイルスは非常に感染力が高いと言いましたが、それは飛沫感染および接触感染のいずれからも感染をするからです。
具体的には既にウイルスを保有している人が人の多い場所でくしゃみや咳をしただけでも感染の危険性があるということです。

飛散したウイルスを吸い込んだり、またウイルスが付着したものに触れたりしたときにも高い確率で感染します。
手やものに付着したウイルスは4~7時間は高い感染力が保たれたままになるということも研究によって判明しており、外出時に完全にウイルスに触れないようにするということは非常に難しいです。

感染をしたときに特に重篤化しやすいのは既に肺に何らかの病状が出ている人です。
長年の喫煙などによって肺気腫が起きている人や、呼吸機能が弱まっている人の場合には免疫が全く効かずに早い時間で重篤な症状に進行してしまいます。

感染をするとまずは鼻水が多く出るようになり、その後38~39度くらいの高熱が発症します。
このとき気管支炎や肺炎になってしまうケースが多く、非常に苦しい喘息症状を伴います。

予防方法としては人が多く集まる場所に出かけるときにはマスクを着用するようにし、かつ手洗いやアルコールによる消毒を徹底するということがあります。

感染してしまった場合には病院を受診して症状をおさえる薬を出してもらうとともに、十分に温かくして睡眠をとり水分をとりながら経過をみていきましょう。